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海を歩く神経に塗り替わる皮膚

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2016年

[] ベルリン

いつもの道、いつもの建物、そのまわりには無数の知らない道、知らない建物がある。知らない建物のなかには知らないものが、ひとが、営みが詰まっていて、そこには無数の素敵なものがある。そういうものを、たくさんたくさん見て歩いた。あやうさもこわごわも含めて、歩いた。歩けて、よかった。

いま、たぶん私は、生きることを感じながら生きているなとおもう。限られた時間の中で、限られた時間の中だからこそ、なにかしらがぎゅっとつまってあらわれてきている気がする。ほんとはこれまでだって同じだったはずだけれど、同じようには生きていなかったなとおもう。明確な終わりがある中で、できることとできないこと、やるべきこととやりたいこと、というのもはっきり選ばなければならない。もう二度と経験できないかもしれないものが、目の前に、明確に、あるから。だから。

長い旅みたいな時間。区切られた長い時間。きっとこの、前と違ういまの感覚は、わたしにとってたいせつなことのひとつだと思う。生きることを感じながら生きるということ。

ほんとにたくさんのいろいろな良きものがある中で、すべてを手にいれることはやっぱりできない。時間も、気持ちも、頭も、限られているから。勢いも勘も考えも気持ちも含む、ぜんぶのわたしで、たいせつなこと、必要なこと、やるべきこと、やりたいことをつかむ。自分のいまの皮膚の内側を感じ取りながら。

そんなことを考えていた矢先、こんな言葉をもらった。

「生を愛している私たちは、さまざまな人生をやってみたい。今やっている程度のことでも、他のいくつかの可能性をつぶさなければ出来なかった。そう思うと滅ぼしたその可能性のためにも、納得いくように仕事をしなければと思うのである。」

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