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海を歩く神経に塗り替わる皮膚

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2013年

[] 瀬戸大橋

夏が強い。まぶしい。沈む。埋もれる。

何度かの休日を首のうしろでどうにか過ごしたあとの夜、旅のお誘いが飛び込んできた。不意のお届けものはいつものことで、それでも、なにかあったのかなと思う。いくつかの可能性を思い描きながら、私のいのちの何分の一かとの共鳴に、青い葉と白い花の風にゆらぐのが見えた。

明るい空と瀬戸内海にぴったりな色を瀬戸大橋に選んだのは東山魁夷だという。それはどんな季節の空にも合う、すっと抜ける透明な雲のようで、じっと見つめてもぼんやり眺めても、あぁ、とうなずいてしまう、そんな色をしていた。

はじめて間近に見る東山魁夷の絵には、日本画でしか表現し得ない明るい深みある色が広がっていた。空にいくつもの色があるように、にじむのでもなく重なるのでもなく隣り合う別の色へと境目なく色が広がる。その境目のない色の空間は、明るくて、明るいのに深くて、深いのに澄んでいて、そのことが不思議で不思議で近づきたくて、あまりに近づきすぎて警報が鳴ったと職員さんに注意された。

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