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海を歩く神経に塗り替わる皮膚

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2013年

[] ザダル

手配してもらった車でスプリットに向かう途中、いくつかの街に寄ってもらった。

森と湖の涼やかなプリトヴィツェにほんのりこころを残しながらの出発だったけれど、到着したよと降ろされた港町らしい風景に胸がわあっとひろがった。白と青の街、とおもう。ザダル。ここがアドリア海と石の街のはじまりになった。

アドリア海沿いの街、とくに旧市街にはみんな、門があった。城門というほどの重々しいものではないけれど、伝令の馬が通るのが見えるような弧を描いた狭い門。街は壁で囲われているから、その門を通ると街に入るのだと意識させられる。街全体が新しい遺跡のようで、これこそが石畳といいたくなるくらいの白く眩しい石畳に敷きつめられている。でこぼこの石畳は長年の風雨と人の足によってつるつるに磨かれている。雨が降ったらきっとわたしは滑るなとおもう。そのせいか、抜けるような青空なのにそくそくと気をつける姿勢になる。

クロアチアではプリトヴィツェ以外のどの街でも青空市場を見た。野菜、果物、はちみつ、ドライフルーツ、ナッツ、花、置き物。ときにはワンピースやTシャツといった衣類のお店も見かけた。

そしてザダルを皮切りに、わたしは毎日アイスクリームを食べて過ごした。日陰は涼しいけれど、眩しい石畳を歩くとどうにも暑いようなきもちになる。するとアイスクリーム屋さんがあらわれて、あっと思ったときにはもう買ってしまっている。あれこれ試していちばん気に入ったのはサワーチェリーとヨーグルトらしい風味のまざったような甘酸っぱくさわやかなアイスクリームで、わたしはこれが好きとおもってから何個も買い求めた。それにしても、クロアチアでのアイスクリームへのためらいのなさはどういうわけだったのだろう。あんなにほいほいと、と呆れるほど、アイスクリーム三昧だった。

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