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海を歩く神経に塗り替わる皮膚

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2010年

[] 流氷砕氷船ガリンコ号

ガリンコ号。全体は撮れなかったのでお弁当の包み紙を。お弁当、おいしかった。

ガリンコ号は海の氷を砕きながら進む。普通の客船ではなくて、もともとは油田開発用につくられたためにドリルがついていて、それでガリガリ砕きながら進むからガリンコ号。

見えにくいけれど右下のグレーの部分がドリルで目の前には氷の広がる海。窓には雪と氷。

寒くならないと見られない流氷だけど、横からの風には弱いガリンコ号なので風があるとすぐに欠航してしまうのだとか。この日はとても穏やかな波で、朝からずっと晴れていて、

晴天。雲のない、まっさらな晴れ。

流氷が接岸したのはガリンコ号に乗る2日前だった。温暖化のために流氷は以前に比べてずっと薄くなっているらしいけれど、今年は20〜30年ごとにめぐってくる地球の寒波サイクルだとのことで流氷の当たり年だったらしい。そんなこととは知らずに訪れたのでなんというめぐりあわせだろうかと。

海の、水平線があんなに白いのをはじめて見た。雪のためにか気温のためにか、海と接するあたりの空気は白く。

白く。

白く、青い。

白く、青く、四角い。

蓮葉氷(はすはごおり)という名前がついていると、ガリンコ号を降りてから知った流氷のつくる模様。走るガリンコ号から見ると花びらみたいで、私は砂漠の薔薇を思った。あの、砂漠で成長する結晶の石の花びらがばらばらに剥がれて広がったように見えて。

海はときおり空のようでもあった。

でもこの深みある空は、やっぱり海だった。

ガリンコ号のわたしたち。

ときおりカモメに眺められながら、青く白く青い世界を、足下から白く染められるような気持ちで見つづけた。

寒すぎるとカメラが冷たくなって動かなくなるというのを旭山動物園で経験したので、ときおりポケットに入れてあたためながら。サングラスがないといられないほどの明るい海の上。その時間はあっというますぎて、強烈な明るさを放つ空と氷とその光を受けてキラキラしていたガリンコ号の鮮やかな赤だけが記憶を覆っている。

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